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ジェネリック医薬品について
Q1)ジェネリック医薬品とは何ですか?
A1)ジェネリック医薬品とは、特許の期限が切れた医薬品(先発品)を、特許のない医薬品メ
ーカーがその特許を利用して製造した同種同効薬(同じ種類の有効成分を含んだ医薬品)
のことを言います。後発品、後発医薬品などとも呼ばれています。
欧米では、商品名ではなく有効成分名を指す一般名(generic name)で処方されること
が多いことから一般名つまりジェネリック医薬品と呼んでいます。
Q2)ジェネリック医薬品の利点は?(患者さんにとって)
A2)新薬の開発には、莫大な開発費と時間を必要とします。しかし特許期限が切れると特許使
用料を支払うことなく、先発品の製造販売をすることができるようになります。したがっ
て後発品メーカーは開発コストをかけることなく、先発品メーカーと同一の医薬品を製造
販売することができ、価格を安く設定できます。生活習慣病などの長期間の服用が必要な
場合や高価な抗がん剤などの場合には、後発品のメリットはとても大きいと考えます。
Q3)ジェネリック医薬品の選択の基準は何ですか?(医療機関からみて)
A3)後発品メーカーの
①これまでの販売実績と安定供給
②有効性・安全性・高品質の確保
③迅速な医薬品情報(副作用報告など)の提供・・・・などです。
Q4)ジェネリック医薬品を服用したいのですが?
A4)医師に直接“ジェネリック医薬品に変更してください”と申し出てください。
①特許が切れていない先発品には後発品はありません。
②院外処方の場合:い)処方せんに医師が後発品を処方する場合。
ろ)処方せんに先発品が処方されていて、処方せんの備考欄に
「後発医薬品への変更可」とサインする場合。この場合は調剤薬
局に後発品の商品の選択を一任します。
③院内処方の場合:処方せんは発行せず、院内で後発品を受け取ります。
④一般名で処方されている場合:一部の医療機関では、処方せんに一般名で処方されてい
ます。この場合の一般名とは、有効成分名を指すもので、
先発品も後発品もどちらも含まれていますので、患者さ
ん自身がどちらかを選択することになります。
■ 私の意見
大規模病院、中小民間病院、診療所など様々な医療機関から、そしていろいろな地域から処方
せんが調剤薬局に集まってきます。様々な先発品をそろえた上に、さらに先発品の1つ1つに
ついて後発品の在庫を持つことは薬局にとって経営的にも、物理的にも困難です。また医療制
度の異なる海外との単純比較もできません。
医師の立場から、私自身がこれまでに経験したことをお話しますと、①後発品メーカーとの接
触はほとんどなく、後発品メーカーの名前や後発医薬品名を知る機会がない ②調剤薬局には
後発品の在庫はあまり期待できない(後発品への変更後、先発品への再変更を余儀なくされる
ことがある:安定供給と経営上の問題) ③後発品メーカーは、医薬品の宣伝を含めて、医薬品
の情報提供(副作用、使用上の注意等)がほとんどない ④患者さんの後発品に対する抵抗感
(ブランド指向)がある・・・などが今後の後発品普及のカギになると考えます。
また医療機関の性格(病床の有無、規模、経営母体)、医薬品の種類(内服薬、注射薬、検査薬、
診断薬)、地域性などによっても後発品に対する考え方、扱い方が違ってくると思います。
規模の大きい中核の急性期病院などで多く使用する抗がん剤、抗エイズ薬などの後発品はほとん
どありませんが、造影剤などの診断薬や検査薬は後発品で安く抑えることができます。また診療
所などに通院可能なカゼなどの急性疾患は短期間で治りますが、生活習慣病などの慢性疾患は長
期間の通院が必要になり、後発品を選択するメリットは大きいと考えます。
普段から気軽に相談できるかかりつけの医療機関やかかりつけの調剤薬局をもつことが大事です。
当院ではジェネリック医薬品(後発品)を処方いたしますので、お申し出ください。