●家庭内血圧測定
■どうして家庭内血圧測定が必要なんですか?
血圧は自律神経に影響を受けます。日常の動作(排便、排尿、食事、会話、洗面)、運動、
ストレス、緊張などで血圧は変動します。したがって医療機関の外来・健診時の随時血
圧に付きまとう白衣高血圧や仮面高血圧の影響が排除された家庭内血圧は、血圧管
理の適切な指標になりうるということです。最近では、朝・晩の家庭内血圧の測定値が
随時血圧より脳卒中の発生予想に有用であることも確認されています。
医師や看護師に測ってもらう緊張した随時血圧より、リラックスした状態で測る家庭内
血圧の方が本来の正しい血圧を反映しています。現在高血圧で通院している方や血圧が
気になり始めた中高年の方は自己管理として自分で血圧を測りましょう。
■どうして高血圧の治療が必要なんですか?
高血圧は他の生活習慣病と同じく、自覚症状がなく、深刻な事態になるまで気づかずに
過ごすことがあります。ひたひたと静かに忍び寄り、一気に命を奪う恐ろしい病気とし
て、高血圧は別名サイレントキラー(静かなる殺し屋)と呼ばれています。
高血圧によっておきる障害・合併症を早期に予防するために治療が必要であり、
その高血圧を自覚するために家庭内血圧測定が重要なのです。
高血圧に合併する疾患は、1)脳:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血2)心臓:狭心症、
心筋梗塞、心肥大、心不全3)腎臓:蛋白尿、腎不全4)その他:眼底出血、網膜静脈
閉塞症、大動脈解離、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症があげられます。一度発症した合併
症を元に戻すことはできません。軽いうちに治療を始めることが大事です。
■家庭内血圧測定の方法は?
1)いつ測るの?:い)朝測るときは起きて1時間以内に
ろ)夜測るときは就床前に
は)可能なら朝晩の2回、1回なら朝
に)なるべく同じ条件で、毎日記録しましょう。
2)測りかたは?:い)イスに座って、1〜2分安静にしてから測ります。
ろ)朝食前、血圧のくすりを飲む前に測ります。
は)測る腕を心臓と同じ高さにします。
に)排尿はすませておきましょう(排便前に)。
3)どんな血圧計がいいんですか?:
上腕にカフを巻く方法、手首で測る方法、指にはめて測る方法の3
種類が各社から発売されていますが、これから購入予定の場合は誤
差の少ない上腕タイプをお勧めします。
■家庭高血圧の判定基準は?
高血圧治療ガイドライン(JSH2004)によると、家庭血圧の基準値は、135/85mmHg
以上が高血圧、125/80mmHg未満が正常血圧としています。
■私の意見
会社健診で血圧を指摘された方、親・兄弟が血圧が高い方、血圧が高いといわれたこと
はないが、すでに糖尿病・高脂血症・高尿酸血症などで治療している方、いたって健康
だが最近お腹がでてきた方、中高年の方などは自宅で血圧を測りましょう。
お風呂上りに気楽に体重測定するように血圧測定もやりましょう。一家に一台血圧計!
血圧を記録していて、135/85mmHg以上ある場合は血圧の記録ノートを持参の上、ご近
所のかかりつけの先生に相談してみましょう。 (血圧記録ノート差し上げます)