●老いる
■論文をご紹介:
かなり衝撃的な写真です。20年間にわたりカロリー制限をしたアカゲザル(左)とカロリー制限をして
いないアカゲザル(右)を比較したものです。この研究では半分のサルに低カロリーの食事を、残りの
半分のさるに普通の食事を与えて、身体組成、血液検査などを定期的に行っています。カロリー制限を
していないサルは癌、糖尿病、心臓病、脳萎縮などが38匹のうち14匹に、カロリー制限をしたサルで
は38匹のうち5匹であったと言っています。
A・Bはカロリー制限ないものC・Dは制限あるもの
カロリー制限は姿かたちだけでなく、疾病予防にも有効であることを物語っています。今回の論文で人
間と同じ霊長類のアケゲザルについてカロリー制限が寿命を伸ばすことが証明されました。犬、マウス、
線虫、イースト菌、ミジンコもカロリー制限で長生きするそうです。(上記内容はScience 10 july 2009
Vol.325 no.5937 pp.201-204より引用しました)
■ミトコンドリア:
クロワッサン4125に“ミトコンドリアで老けない体をつくる”という記事がありましたので紹介します。
その前にミトコンドリアとはいったい何でしょう。生物の基礎的なお話ですが、ミトコンドリアは細胞
質のなかにある小体で、細胞の呼吸やエネルギー生成をつかさどる本丸です。
さてそのミトコンドリアがどうしたかというと。同じ年齢でも若く見える人と老けて見える人がいます
が、「若く見える人は細胞内のミトコンドリアの量が多く、活動力が高く」「老けて見える人は量が少な
く、活動力が低い」ということです。そのミトコンドリアを鍛え、量を増やすにはどうしたらいいのか。
「意識的にエネルギー枯渇状態にする筋肉運動がミトコンドリアを増やす」具体的に「有酸素運動に少
し強めの運動を組み合わせたサーキットトレーニングを1日10分程度から始めて・・」とのこと。
また「認知症の原因の一つはミトコンドリアが生み出すエネルギーの低下。計算問題などを解く脳トレ
よりも適度な全身運動で脳の血流を増やし、ミトコンドリアの能力を高く維持することが認知症の予防
には有効でしょう」ともいっています。
■老いる:
老いを止めることはできませんが、老いの速度を遅くするよう努力しながら、老いをどう受け入れて、
老いといかに付き合っていくかが大事であると思います。適度な運動と腹八分目の食事につきます。