●唯一最良のエクササイズは?
■朝日新聞Globe(2011年5月15日-6月4日):
アメリカの「The New York Times Magazine」の記事が朝日新聞のGlobeのなかのViews(海外の眼)に
“唯一最良のエクササイズは?“という表題で翻訳記事が特集されていましたのでご紹介します。
♦1つの運動の継続を:
@ カナダのマクマスター大のジバラ運動機能学部長は、“最良の運動法を1つだけ選ぶことは難しい
が、昔ながらの柔軟体操の基礎運動の1つで、しゃがむ→腕立て伏せの姿勢→しゃがむ→跳んで立
ち上がる→・・を繰り返すこと。これで筋肉と持久力を鍛えられるが、延々と続けて楽しい人はい
ないだろうね“
A アメリカのペニントン生物医学研究センターのティモシー博士は“長時間でなくても、1つの運動
を続けることがカギ。死亡率を下げる効果の多くは運動開始後30分でもたらされる”
B 最近の研究では、ふだん体を動かさない人が週5日、30分ほど速歩きをするだけで早死にする確率
が20%も下がるという。それを3倍の90分にしてもさらに4%しか下がらない。
♦インターバル速歩:
@ アメリカのメイヨークリニック麻酔科のジョイナー博士は“個人的には速歩きこそ最も優れたエク
ササイズだと思う”その根拠としてジョイナー博士は信州大大学院の能勢教授の研究を挙げる。
能勢教授の研究は、数千人のお年寄りの協力を得て、3分速歩きして、3分ゆっくり歩くという運
動を10回繰り返す「インターバル速歩」を5カ月間続けてもらった。その結果心肺機能や太もも
の筋肉は最大で20%増加したという。能勢教授は“トレーニング前より10歳は若返った気分にな
るはずです。抑うつ症状は半減し、高血圧、肥満などの生活習慣病を引き起こす症状は20%も改善
しました”
A 最近の研究では、日常的に速歩きを始めたお年寄りは脳内の記憶に関する部位が増大したことがわ
かった。
♦この瞬間も筋肉は減っている:
@ マクマスター大運動機能学のフィリップ教授は、“私ならスクワットを勧める。最も太い筋肉、尻
や背中、脚の筋肉を活性化させるし、簡単だ。腕を胸の前でクロスし、太ももが床と平行になるま
でひざを曲げ,胴体を動かさずにゆっくり下ろしていく。これを25回ほど繰り返す。かなり効き
目があるよ。持久力系の運動では筋肉減少を食い止める効果は大きくない”
♦階段駆け上がりの秘密:
@ ジバラ学部長は、“H.I.T(High-intensive
Interval Training:高強度インターバル運動)は基本的
に高負荷運動と低負荷運動を繰り返す運動。バイクマシンで苦しいけれど何とか続けられる速さで
60秒こぎ、次の60秒はゆっくり流す。それを10回繰り返す。適切に行えば、H.I.Tはほぼすべて
のスポーツに適用できる。H.I.Tで唯一、不十分なのはスクワットほど筋力を高められない点。だ
が、階段を駆け上がるのは、力のいる運動であると同時にインターバル運動でもある。要するに、
階段を駆け上がることが、最も優れたエクササイズだと言えるかもしれない”
■一言:今回は肥満大国のアメリカでの記事であり、スクワット、バイクのインターバルトレイニング、
階段の駆け上がりなどは相当きつい運動です。私は3分速歩き、3分ゆっくり歩きを試しましたが、とっ
ても爽快でした。「無理のない自分に合った30分程度の運動を続けることがカギです。継続は力なり」