●アイスなしでは生きられない!
■朝日新聞Globe(2012年10月21日〜11月3日):
アメリカのThe New
York Times Magazineの記事が朝日新聞のGlobeの中のViews(海外の眼)に
“アイスなしでは生きられない!”(原題Can Food Be Addictive?)という表題で翻訳・特集されていま
したのでその一部をご紹介します。
A “肥満は人によって喫煙と同じ依存症である”米保健省キャサリン・シベリウス長官
A“薬物依存と食品依存は脳の快楽と自己規制をつかさどる部分を混乱させるという点で多くの
共通項がある“米国立薬物依存症センター所長ノラ・ボルカウ博士
B“砂糖を過剰に摂取したマウスから砂糖を奪うと、マウスは歯ぎしりをしたり前脚を震わせたりと、
アヘン中毒のような症状をみせることがわかった。2週間後に再び砂糖を与えたところ(押すと
砂糖がもらえる)、レバーを狂ったように押し続け、砂糖断ちをする前より23%も余分に砂糖を摂
取した“プリンストン大・フロリダ大
C“脂肪質の液体を与え続けたマウスの消化システムがマリファナを摂取するときに生じるカンナビノ
イドに似た物質を組成しはじめた”カリフォルニアとイタリアの科学者たち
D“チョコレートミルクシェークの絵を見た後にシェークを飲んだ子どもたちの脳内画像を調べた。
すると麻薬中毒者やアルコール依存症の患者が回を追うごとに摂取量を増やすのど同様に、ふだんか
ら頻繁にアイスを食べている子どもほど脳が満腹と判断するまでに多くのアイスが必要であることが
わかった“オレゴン研究所の科学者たち
E“食品依存症の克服では暝想と適度な運動が脳に好影響与える。ヘロイン中毒の患者が鎮痛剤を使っ
て禁断症状を和らげるように、その食品の代わりに楽しみをもたらす代替物を見つけることも必要だ。
アイスクリームの代わりに果物をシャーベット状にしたフルーツスムージーを食べるような感じで“
メリーランド大助教のパメラ・ピーク博士
F“人間の体は自然界に存在する食品には生物学的に適応しやすいが、加工食品に対してはそうした
機能が働きにくい。レタスやカブやオレンジの依存症にはならない。でも、極度に加工された食品を食
べると身体は混乱する。誰もトウモロコシ依存症にはならないが、それがチースト(トウモロコシの
菓子)になったら、何が起きるだろう”
エール大の「食物政策と肥満」センター所長ケリー・ブラウネル博士
G“こうした中毒性のある食品を「ハイパー味わい食品」と呼ぶ。しょっぱさ、甘さ、脂肪質、食感
を絶妙な配分で組合せ、私たちの味蕾(みらい)をじらしてとりこにする食品のこと“
米食品医薬品局(FDA)の前長官デビット・ケスラー博士
(※味蕾(みらい):口腔や舌の粘膜に存在する味覚の末梢器官)
H“脳科学の研究結果をみれば、食品会社がいかに人々をとりこにするための操作を製品に加えてい
るかを問わずにはいられない。この種の食品を前にすると、個人の意思や善悪の判断は吹き飛んで
しまう。それを欲しがり、夢に見て、それなしではいられなくなる“ケリー・ブラウネル博士