●ごはんのお話
■「ごはん」の優れている点は?
1)炭水化物(76%)を主として、たんぱく質(7%)、脂質(1%)、鉄、カルシウム、
マグネシウム、亜鉛、ビタミンB1・B2、食物繊維などの栄養素を含んだとても
バランスのいい食品です。
2)ごはんの良質なでんぷんは消化吸収率(98%)が高く、すばやくエネルギーに
利用されます。
3)ごはんに含まれるたんぱく質はアミノ酸組成のバランスがよく、理想とされる牛
乳や卵のアミノ酸スコアを100とした場合、ごはんは72であり、食事からとる
たんぱく質のおよそ20%をごはんからとっています。
4)ごはんは「粒食」で、消化がゆっくりであるため、インシュリンの分泌刺激が
パンやジャガイモより弱く、太りにくいでんぷん食品です。
■お茶碗一杯の栄養成分は?
軽くお茶碗一杯(食品交換表のおよそ2単位に相当します)のごはんの栄養成分を表
したものです。
この茶碗一杯のごはんと同カロリーの他の食品は、ラーメン1/3、食パン6枚切り1枚、
もち1枚(60g)、ケロッグオールブラン50gなどです。
(参考:キリン淡麗生(350)、カルピスウォーター(350)、コカコーラレモン(350)
はごはん一杯に相当)
■日本型食生活って何ですか?
日本の伝統的な食生活は「ごはん」を中心として、大豆、旬の野菜、魚などの素材を
発酵食品である味噌、醤油などで調理、味付けし、副菜と組み合わせていました。徐々
に肉食と脂肪分が増え、昭和50年ころには旧来の日本食スタイルに洋風食スタイルが
ちょうどいいバランスで組み合わされた「日本型食生活」が実現しました。
つまりこの「日本型食生活」は三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)の食事
バランス(PFC熱量比)がとても優れているということなのです。
■PFC熱量比ってなんですか?
たんぱく質(P:protein)、脂質(F:fat)、炭水化物(C:carbohydrate)のバラ
ンスが栄養バランスの基本になります。この三大栄養素の熱量比をPFC熱量比といい、
P12~13%,F20~30%、C57~68%が理想的な比率といわれています。
■私の意見
日本のこれまでの食生活は、お米を主食として、お味噌汁、地元でとれた旬の野菜や魚、
発酵食品などの多彩な食品で構成され、栄養素のバランスがとても優れていました。
ところが近頃、お米の消費が減少し、お肉や油脂の消費が増加して、栄養バランスが
微妙に崩れてきています。加えて、朝食の欠食率の増加と1回の食事量の増加(どか
食いあるいはまとめ食いによる過食)による肥満症が問題になっています。
いつでもどこでも手軽に簡単に食べられるコンビニやファーストフードの増加もさらに
問題を複雑化しています。
日本型食生活復活のための目標:
1)早寝早起き
2)間食しない(決められた3時のおやつは賛成)
3)カロリーのある飲み物は極力減らす(コーラ、ジュース、缶コーヒー等)
4)食事は良く噛んで、ゆっくり食べる
5)まわし食べをする(ごはん→味噌汁→主菜→副菜→ごはん):
♥「左手は使わず“ひじ”をついて自分の好きなものだけ食べ続けて、味噌汁は
飲まない、ごはんも少ししか食べない」という子供が増えています。
♥「正しく“おはし”を持ち、左手できちんとお茶碗やおわんを持って、食べる」
日本の美しい食習慣を子供たちへ伝えていきましょう。
6)粗食・雑食・腹八分目
おいしいごはんを食べましょう!