●アニサキス症
■アニサキスとは
アニサキス(Anisakis)とは人の胃や腸に寄生する線虫(nematode)のことです。アニサキスの成虫はクジ
ラやイルカなどに寄生し、その幼虫はオキアミを経てサバ、イカ、アジ、イワシ、タラ、サケ、ニシン
などの魚に寄生して感染幼虫になります。日本人は生で魚を食べる習慣があるので、他の国より感染率
が高くなっています。
■症状は
アニサキスが寄生している魚を生で食べたときに、幼虫が胃壁や腸壁に入り、5〜10時間後に腹痛、
嘔吐などの症状が起こります。今回の症例は前日の夕食に酢でしめたイワシを食べ、翌朝に腹痛が起こ
ったため内視鏡を行いました。食道胃接合部にアニサキスの幼虫を発見し、鉗子で摘出しました。
■予防
@アニサキスは熱に弱く、加熱調理が最も効果的です。
Aわさび、醤油、酢などでは死滅しません。
Bマイナス20度以下で24時間以上で死滅します。