●単純ヘルペス
単純ヘルペスは、主に単純ヘルペスウィルス(herpes simplex virus:HSV)の接触感染によって、皮膚
や粘膜のどこにでも発症します。単純ヘルペスの多くは不顕性感染(発症せずに、潜伏感染の状態)
であり、発熱、紫外線、ストレス、疲労、性交、月経などの刺激や免疫の低下などでウィルスが増殖し、
痛みを伴う小水疱として出現します。HSVは1型と2型があり、1型は主に顔面を中心に上半身に、
2型は性器を中心に下半身に再発を繰り返します。
単純ヘルペスは発症部位によっていくつかの病型に分類され、頻度の多いものとしては、口唇ヘルペス、
顔面ヘルペス、性器ヘルペス、臀部ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、ヘルペス性ひょう疽、上肢ヘルペ
スなどが上げられます。
口唇 臀部 手背
ポイント:@ 不顕性感染(発症せずに、潜伏感染の状態)が多い。
A 再発しやすい。
B 性器ヘルペスは性感染症(sexually transmitted disease:STD)全体の12.5%
(1998年厚労省性感染症研究班)を占める。
C 唾液、なみだ、精液、水泡などからも感染する。
D 再発を繰り返すこともあるが、根気強く治療を受ける。