●ロコモティブシンドローム
■ロコモティブシンドロームとはいったい何でしょうか?
日本語名は“運動器症候群”といい、整形外科領域の新しい概念として使われています。
ロコモは“Locomotive organ”のことで、運動器を意味します。運動器とは身体を支えたり、
動かしたりする骨格、関節、骨格筋、腱、靱帯などのことです。具体的には脊髄障害、変
形性関節症、骨粗しょう症などを運動器障害といい、一人がこれらの障害を複数持ってい
て、介護が必要な状態や要介護リスクの高い状態を表したものを運動器症候群といいます。
またロコモは“機関車”の意味もあり、もっと“アクティブ(能動的)に”動いてほしい
という意味も含んでいるそうです。
■ロコモーションチェック(ロコチェック)
症状のない時期に、運動器のおかれた事態に自ら気づくことが必要です。そのための主な
自己チェック項目を挙げると、
@片足立ちで靴下がはけない
A家の中でつまずいたり滑ったりする
B階段を上がるのに手すりが必要である
C横断歩道を青信号で渡りきれない
D15分くらい続けて歩けない
これらの項目が1つでも該当すれば「ロコモ」の心配があるといえます。これらの項目で
は、筋力、バランス能力、持久力、歩行スピード、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症などの
チェックが想定されています。
■ロコモーショントレーニング(ロコトレ)
運動器の健康を保つには体重のコントロールと運動によるケアが必要です。年令や今の自
分の健康状態に合わせたトレーニングを続けていくことが大事です。
@支えを使用した開眼片脚立ち(左右各1分間、1日3回)
A開眼片脚立ち(左右各1分間、1日3回)
B支えを利用したイスからの立ち上がり(5~6回を繰り返す、1日3回)
Cスクワット(5~6回を繰り返す、1日3回)
(CLINICIAN‘09 no.579 P11~17より引用しました)