●備えあれば憂いなし:その2
B):家にはいられるが、すべてのライフラインが止まった場合(家での備蓄:およそ1週間を想定)
1)ライフラインの復旧:
阪神淡路大震災や新潟中越地震ではライフラインのうち、電気はほぼ1週間で復旧していますが、ガスと水
道は数カ月も要しています。この電気が使えるまでの最初の1週間を何とかしのぎたいものです。
※上記グラフはMitsui Sumitomo Insurance Group 災害リスク情報(21号)より引用しました。
2)水:
水は1日1人約3L必要といわれています。家族2人で余裕をもって1週間分およそ40Lを用意しました。
我が家では2Lのペットボトルに水道水を入れて保存しています。ペットボトル内の空気は極力抜いて、暗
所に保管することで長期保存が可能になります。ペットボトルは保存期間をずらして、3カ月ごとに水道水
を入れ替えています。ジュース類が入っていた容器には糖分が付着しており、細菌が繁殖する恐れがあるので
避けた方がいいでしょう。
3)食料:
♦家の中での備蓄は、持ち出し用と違って大きさや重さをあまり考慮しなくてすみます。不安で不便な生活
を強いられている中で、単なるエネルギー補給だけでなく栄養補給と精神的満足感が求められます。ご飯と
おかずとみそ汁そして甘いものがあれば大満足です。ご飯は、お湯でも水でも食べられ長期保存が可能なア
ルファ米を備蓄しています(白いご飯より五目御飯がお勧めです)。おかずは調理済みであることと保存性
から缶詰がベストと考えます。みそ汁はお湯を注ぐだけのフリーズドライ製品を備蓄しています。甘いもの
は気持ちを落ち着かせることができます。我が家ではフルーツ缶と小豆缶を備蓄しています。缶詰には保存
期間が記載されていますが、本体がさびたり、膨らんだり、へこんだりしていなければ食べられます。また
缶詰を開けた時に“シュッ”と音がしたり、中身がふきだしたら廃棄しましょう。我が家では備蓄食糧を廃
棄しないように定期的に保存期間や容器の傷みの有無を確認し、ハイキングなどで使って、その都度補充し
ています。
♦食料を選ぶポイント:@栄養面だけでなく、おいしくて普段から慣れ親しんだものA塩分が多くないもの
B脂肪分が多くないものC高齢者や小さな子供のいる場合は消化しやすいスープ缶やフルーツジュースも
Dシリアルなどのドライフードやハチミツも長期保存可Eあめ、クッキー、インスタントコーヒー、ココア、
ティーバッグなどのお菓子や嗜好品も
4)カセットコンロ:
ライフラインが止まっている状況で、火を使う場合はカセットコンロが最適です。
カセットボンベ1本で平均8〜10時間の使用が可能です。1回30分程度の湯沸かしを想定すると、
1週間で30分X3回/日X7日間=630分となり、カセットボンベ1本程度となります。余裕をもって多め
に備蓄しています。
5)灯り:
我が家は乾電池式のランタンを使っています。最小目盛りで約10日間の使用が可能です。ソーラタイプは
とっさの時や雨天の時には不便ですが、電池がなくても昼間に充電しておけば夜間に使用できます。2つの
タイプをそろえておけば安心です。またヘッドランプは両手が自由になるので大変便利です。ろうそくは火
災が心配です。ろうそくが倒れても心配ないように大き目のお皿を使いましょう。乾電池が劣化しないよう
にラッピングしたままの状態で保存、備蓄しています。
6)暖をとる:
♦首都圏でも冬は零度近くになります。特に夜間は冷えます。電気、ガスが使えない状況では石油ストーブ
が一番暖かく、湯沸かしにもつかえるので大変重宝します。我が家でも昨年から対流式の小型石油ストーブ
を使っていますが、とてもやさしい暖かさです。仮に朝・晩の冷え込む時間帯の1日5時間程度の使用であ
れば18Lの灯油缶で1週間使えます。
♦ダウンが軽くて、もっとも暖かい断熱材です。内側には綿より羊毛、絹、ポリエステル素材の重ね着の方
が効果的です。また体温の半分は頭皮から逃げていくので、家の中でも帽子をかぶります。
うラジオやラ を使っていますが、とてもやさしい暖かさです。仮に朝・晩の冷え込む時間れば、18Lの灯油缶で1週間使えます。 7)トイレ:
“便座にビニール袋をかぶせ、使用後に凝固剤を入れます”と説明書に書いてありますが、使ったことはあり
ません。“臭い”が心配です。我が家では臭い対策と水分吸着として、おがくずを購入しました。ヒノキの
おがくずは少々高いですが、木の種類を選ばなければ50L(セメント袋ぐらい)で1000円程度です。残飯
などの腐りものにもおがくずは有効です。
8)くすりと救急セット:
医療機関に通院中のくすりはいつも1週間程度の余裕をもっておきましょう。また“おクスリ手帳”はこれ
までの内服の履歴が記載されていますので、万が一の時には大変役に立ちます。
救急セットは次回に!
※このところの首都直下型地震や富士山噴火のニュースを聞くととても怖くなります。また震災以降も東北、
関東には地震が頻発しています。備えておきましょう!